古瀨 泰之


古瀨 泰之
YASUYUKI FURUSE
―小学校時代に出雲市に移住し、5年の時に父親が設立した卓球クラブに入団しました。
大学まで競技を続け、卒業後は同じタイミングで創部した青森山田中学卓球部の監督に就任し、指導者人生をスタートさせました。好きな卓球に一生携われる教員、指導者を目指し、関係が深かった青森山田高の監督に声をかけてもらいました。地元で指導したい思いがあり、3年後の2004年に出雲北陵高校の教員となり、卓球部を創部。4年後には中学の卓球部をつくりました。
―出雲北陵中学・高校を全国屈指の強豪校に育て上げました。指導に人生をささげる監督に対し、部員たちは厚い信頼を寄せています。
部員は現在中学11人、高校15人です。創部以降、遠方の部員を自宅で下宿生として受け入れ、民間企業の支援で卓球部専用寮ができた23年からは、寮で寝食を共にしています。日本一、生徒と密な指導者を自負しています。夢にも子どもたちが出るくらい24時間一緒な感じなんです(笑)。下宿を受け入れていた頃は多い時で17人もいて、バスを買って送迎してましたね。珍しいですよね(笑)でもそうすると、選手1人1人の性格や長所、短所が違う中でそれぞれの特徴が分かり、具体的で効果的な指導につながります。お互いに信頼関係が深まり、劣勢の時などにチームの底力になるんですよね。
―印象に残っている出来事は?
高校卓球部1期生、2期生を指導していた頃が印象に残っています。『練習試合をしたい』『もっと練習したい』と生徒たちは卓球が好きで、貪欲に強くなりたい思いが強かったです。合宿ではラケットを握ったまま寝る子もいました。自らの甘さや力不足を痛感し、彼らの思いに応えねばと指導者としての覚悟が決まった出来事でした。
―努力が結実したのが、創部20年目の節目に初の団体全国制覇を成し遂げた23年の全国高校選抜大会です。
創部時、中長期目標に掲げた20年以内での全国優勝ができました。ヒリヒリした緊張感の中で勝利をつかんだ時はうれしかったですね。子どもたちは自分にとって師匠。全国の頂という景色を見せてくれたのは一生の財産ですし、常に刺激をもらい、指導スキルを上げてくれる存在です。
―30年の島根かみあり国スポへの思いは。
支えてくださる方々の期待に応えるために最高の準備をしていきたいです。国スポをきっかけに島根県のさらなる競技力向上、競技人口増加につなげていきたいですね。
(2024年12月取材)
