川本 健太
川本 健太
KENTA KAWAMOTO―卓球を始めたきっかけは。
姉と兄が卓球をやっていて、小さいころから練習や試合を見に行き「僕もやってみたい」と思うようになりました。始めたのは小学4年生のときです。やってみたらすごく楽しかったです。
―競技の魅力を教えてください。
僕はラリーを続けて相手のミスを誘うプレースタイル。打つこと、ラリーをすることが楽しいんです。強い選手との対戦は苦労はするけど、ラリーの応酬は相手選手との対話のようなところがあって、すごく面白い。力を出し切り、決まったときは「やった」という気持ちになります。
※パラ卓球は障がいの種類などでクラス分けされますが、知的障がいのクラスは一般と同一ルール。
仕事をしながら練習は週7日
―普段の練習内容は。
高校から通った松江養護学校時代は、所属クラブチームの他に県庁や島根大学のクラブにも参加し、練習量を増やしました。基本を習い、色々な技を覚えることが楽しかったですね。2018年の第7回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・愛知で優勝しました。
2020年からは、雲南市の第三セクター・(株)キラキラ雲南に所属し、社会人選手となりました。
市内のスポーツ施設「加茂B&G海洋センター」で週4日、受付業務などの仕事をしていますが、練習は週7日、休みはありません。毎週木曜日は海洋センターの施設で打ち込み練習をします。ほかの日は松江市のさんびるでの練習や松江テルサでの筋トレなど、各施設で平均2時間の練習をします。練習場にあわせて筋トレ中心の日もありますが、対戦相手がいる時は打ち込みや試合形式の練習をします。
試合中はあまり考えず、集中しています。自然に体が動くように、練習したことが試合でできるようにするためにも、普段の練習量が大切だと思います。
パラ卓球強化指定選手として国際大会へ
―20、23年度に続き、24年度も日本知的障がい者卓球連盟のパラ卓球強化指定選手(次世代育成選手)に選ばれた。
連盟の強化合宿、研修会などに参加し、色々な方との練習を通じてレベルアップできていると感じます。
僕の得意技である相手の手元で伸びるフォアドライブは,回転がよりかかるように鍛えています。もともと自信があるフットワークの強化も頑張っています。少し苦手なレシーブの練習も増やしています。
―23年は台湾・新北市で開催された「新台北パラオープン」に出場されました。
初めての海外遠征で、とても緊張しました。思うように体が動かず、海外選手のパワーに圧倒されました。インドネシアの選手と組んだダブルスではベスト8に入ることができましたが、シングルスでは予選敗退となり悔しかったです。次はシングルスで勝てるように頑張りたいです。
海外選手の球の強さ、速さに対抗するため、今課題にしているのは腕の筋肉強化です。筋力をつけることで、球の強さ・速さに負けず、精度の高いスマッシュを打てるようになることが目的です。
28年ロサンゼルス・パラリンピック出場目指す
―今後の目標は。
今年の目標は、6月に神奈川県で開かれる「パラIDジャパン・チャンピオンシップ卓球大会2024」でのシングルスベスト8です。また、28年のロサンゼルス・パラリンピック出場を目指し、挑戦したいです。出場権を得るためには海外の大会で結果を残し、ランキングで上位に入らなければなりません。頑張りたいです。
2030年島根かみあり国スポ・全スポのときは28歳です。全スポはリーグ戦で戦うので他の大会と少し違いますが、ぜひ出場して、活躍したいです。
(2024年2月取材)